セルフビルドとは?暮らしをたてる!?

神戸のKII+O(KIITO)で行われた「ナリワイをつくる」の著者伊藤洋志さんの講演に行ってきました。伊藤さんは、その著書での出会いから、真庭なりわい塾での講義。そして昨年の高知での床張りのワークショップでお世話になり今回も新しい発想をいただけるのではと期待しての参加でした。やはり相変わらず、面白く学ぶことの多い内容でした。こんなプログラムを無料で提供してくれたことに感謝です。

今回のテーマは「セルフビルド」

伊藤さんは、全国床張り協会を立ち上げ、床張りのワークショップを定期的に開催されてたり、タイ武者修行と銘打って、タイに竹の家づくりを学ぶことをツアーとして開催されていたりするので、その絡みでの講師なのかと思っておりましたが、それには違いないのですが、つまりは、「自らの身をたてる。」=「セルフビルド」という視点でナリワイを語ってくれました。

伊藤さんの『ナリワイ』の考え方として、

”生活の中から生み出されて、技が身につき、体と頭が丈夫になって仲間が育つ”

というものがあり、それは、生活圏の経済を丈夫にするというローカリゼーションの考えにも通づるところで、このブログのコンセプトにもなっています。3000人くらいを相手にして、商品性が不十分なパッケージ化されていないところにこそ個人向けの事業モデルであるということです。

例えば、「自分の生活に使える」「元手0円」「機械にできないこと」「当事者が主体」「かつてあった仕事をリバイバル」などを具体的にあげていました。「モンゴルで遊牧民の生活を体験する」、「使い手のなくなった学校やビルを活用する」、「忙しい農家さんの代わりにみかんや梅を収穫して販売だけする」など様々なアイデアが次々と飛び出す。通常のビジネスの世界では、「広告の威力が強すぎてコストに影響力が高すぎる」(大量生産大量販売は広告宣伝費がかかる)は、「労働者を探すのにコストがかかる」(日本の労働者派遣所数は世界一。大企業すら採用に困る。)「油断すると消費に飲まれる」(セルフビルドキットなどは便利だが、パッケージ商品化されているため割高の場合が多く、不必要なものまで一緒に買うことになる)などを注意しなければならない。本来セルフビルド(自らの身をたてること)は、ゼロから完成までの流れで多くを学び、その過程が次へのチャレンジを産むものでなければ続かないのだそうです。消費かそうでないかの分かれ道は、

”消耗しないか” ”エネルギーが湧くか” ”飽きないか”で判断しているとのことです。

アイデアのアンテナを常に張り巡らせて、人脈や宣伝のためにお金や時間ばかり使ってしまってはいけないということです。走りながら覚えるといった感じでしょうか、すぐに始められることはダメだったらすぐやめられるということでもあり、本気で楽しむが、スタンスとしてはそれぐらいの心持ちでいた方が、続くということです。お金をかければその分稼ぐ必要があり、逆の場合もまた然りということです。

今回中でも響いたことは

”一人よりも二人、仲間でやる方が良い場合がある。”

という言葉。あくまでもセルフがベースになるが、友人の能力を見つけることも自分のことと同じくらい重要だということです。自分では気づかない才能や特技は、他人からはよく見えるということもあり、それは仕事のことだけでなくシェアの心にも通づるところであり、やはり昔からの知恵なのではないかと思いました。僕自身もやっとやりたいことが見えてきた段階ですが、初心に戻るようなお話が聞けてとても有意義なイベントでした。

参考までに・・伊藤さんに会いたい人は、今年度の真庭なりわい塾も募集が始まっていますよ。

https://maniwa-nariwai.org/

岡山県真庭市中和で実際になりわいを持って生活されている方との交流が魅力です。

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